前回の記事でデフの位置、役割、
今回は実際にデフオイルを交換する作業、その中でもオイルを抜く作業についての説明をしたいと思います
車体を上げましょう
ラシーンは車高がそこそこ高いので、最悪車体を持ちあげなくても作業できます。ですが、作業の利便性をあげるためジャッキアップをおすすめします。片側のみでOKです。
車載のパンタグラフジャッキでも大丈夫ですが、自分は作業効率を考えて、フロアジャッキを使いました。
ジャッキが抜けて落ちてくると大変危険ですので、必ずウマを当てて下さい。
注入口と排出口を確認する
リアデフの写真です。
四角い穴がついたボルトが2つ見えます。右側の横向きに付いている穴が、新しいオイルの注入口です。ナンバープレートの裏にある方がドレンボルト。
これを外すには、13mm角の四角ボックスを使います。一般的に流通している、ソケットレンチなどにはめ込んで装着します。
一般的なソケットレンチは10mm(9.5sqとも言います)が使われています。
アストロプロダクツで変換アダプタが売ってあったので、これを買ってきました。
これを一般的なソケットレンチに差し込むことで、注入口、ドレンの両方を外すことができます。
外すのは必ず注入口から
作業の際、必ず守ってもらいたいのが、
エンジンオイルの時と同様に、ドレンを外し、
ですが、デフギアボックスは車体の下、
先にオイルを抜いてしまったのに、注入口が外れないと、
外し方は、10mmのボックスをプラグに差し込んで、レンチを前に押す感じでナットを緩めます。
できれば外す前に、上の画像の要領で、どの位置まで締め込まれていたかわかるようにマーキングをしておきましょう。
ドレンボルトとデフボックスの両方に線を引く感じです。こうすることで、もとに戻す時どこまで締め込めばよいかわかります。(自分は完璧忘れていました)
ちなみに、注入口を緩めるときは、右のリアブレーキのブレーキホースが干渉してとても作業がしにくいです。ホースの固定ボルトを外すと良いです。
8mmのナットを1個外すだけなので簡単、かなり作業がしやすくなります。最初に外しておきましょう。(自分は最初外さずに作業してとても大変でした)
スペースがなくてラチェットが回しにくいと思いますが、頑張って回していくと、なんとか外すことができます。
ここで外れなかった場合は、ラスペネなどを噴射して潤滑させ、30分ほど放置させて浸透させてから作業しましょう。
それでもダメだったら車屋さんです。潔く諦めたほうが、車にダメージが残らずいいと思います。
上側に位置していて、常にオイルが接触しているわけではないため、比較的キレイでした。何かコーティングのようなものが見えるのですが、長年の使用で剥がれてしまっているようです。
●ドレンボルトを外そう。
大本命のドレンボルトです。ここが外れなければ元の木阿弥です。
外すとオイルが漏れてくるので、オイル受けを準備します。自分は旧いタオルなどを使って自作しましたが、通常は2Lサイズの廃油受けなどでOKです。ホームセンターなどで安く売っています。
ただ、私はバイクを含めてオイル交換が趣味のような人間なので、色んな廃油処理箱を使ったのですが、こいつが一番オイルを良く吸い込みました。
よく吸い込んでくれるということは、漏れて周囲を汚さないということです。高いだけは有ります。
排出口が外れない
ラスペネを噴射して緩みやすくし、レンチをラチェットではなくトルクがかかりやすい棒タイプにしました。
ですが全然外れない。これやってみるとわかるのですが、人間の力を非常にかけにくい方向にレンチを回さなければならないため、全然外れないのです。全くもって力が入らない。こんなことならT字レンチを準備しておけばよかった。いや、Tレンチでも非力な僕には厳しかったかも。
どうやって外したかというと、
左側のリアタイヤを外しまして、
このようにレンチを宙ぶらりんにして、
左足で蹴っ飛ばしました。
正確には押した、という感じですね。蹴り飛ばしたかったんですがネジぶっ壊れますから。
大腿筋を使ってぐーっ!と力を入れると、するりとゆるみました。足の力は手の3倍。一発です。
ある程度緩んだら、廃油受けを元に戻して、くるくるとドレンボルトを回して外します。
出てきました。若干の濁りが見られますが、飴色をして割りときれいなオイルでした。新車状態から15年も回っていたオイルには見えません。
どこかのタイミングで一回交換された可能性が高いですね。
ドレンボルトには、いい感じの汚れが付いていました。スラッジはそこそこの量がでているようです。
入口側には磁石がついてました。
パーツクリーナーとウエスを使ってボルトをキレイにしましょう。ねじ山にごみや鉄粉等が噛んでいると、取付の際デフボックスを壊す可能性があるので、入念に取り除きます。
15分間ほど他の作業をやって、できるだけたくさんのオイルを出してあげます。垂れてこなくなったら、ドレンボルトを取り付ける工程に移ります。
ドレンボルトにシールテープを巻こう。
ドレンはそのまま取り付けても大丈夫だと思うのですが、漏れを防ぐためにシールテープを巻くのがベターです。
シールテープはテフロンで出来ていて、ねじ山の間に入り込んで水やオイルを漏れにくくする効果があります。
ホームセンターなどでは、水道コーナーなどに置いてあります。100円均一などにも置いてあるはずです。
早速巻いてみましょう。
シールテープは巻き方にコツが有ります。大きく分けて2つ。
- ネジが締まる方向に巻く。
- 緩んだら、もう一回全て巻き直す。
この2つです。
上の写真だと、ネジをドレンボルトを右に回転させながら、シールテープを巻き付けていきます。
実際にネジを締める際に、シールテープがねじ山に巻き付いていく、食い込んでいく方向になります。これを逆にやってしまうと、締め込めほどテープが剥がれやすくなるので、向きには要注意です。
巻きつけました。巻きつける回数は、2周~2周半程度です。
このドレンボルトのような平行ねじだと、1周だと薄すぎ。3周だときつい場合が有ります。2周くらいが無難です。テーパーネジの場合は3周くらい巻きましょう。
●ドレンボルトを装着しよう。
ボルトを装着します。
ガチャガチャとラチェットでナットを締め込みます。シールテープを巻いているので、かなりキツく締まっていく感じがすると思います。
正しく締まっていて硬いのか、斜めに入って行ったり異常な状況なのか? このへんの見極めが経験に依る部分なので難しいです。ただ、正しくシールテープが巻けていればほぼ大丈夫なはずです。
元の位置。ボルトの飛び出し量が外す前と同じくらいまで締め込めればOKです。シールテープがガッツリ噛んでいるので、そうそう緩むこともないでしょう。
今回はすっぽかしてしまったのですが、やはりマーキングが重要ですね(苦笑
今回の場合、ドレンボルトが最初から”□”の状態で止まっていたので、ここで合わせました。たまたま写真撮影しながら作業をしていたので、この位置がわかりました。次回はしっかりマーキングして作業したいと思います。
次回:オイル交換
長くなりましたが、次回がオイル交換です。
結構独創的な方法で交換をします。
続きます。
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