自分のラシーンですが、始動時ちょっとしたトラブルが有ります。
朝一の始動時や、買い物をして1時間位ほおって置いた後に再始動する場合などで、セルを2~3秒回さないとエンジンがかからないのです。
普通は1秒も回さないと思うのですが、この車に限っては長い。
あともう一つ、低負荷走行時から再加速するときに、息つきのような症状が発生します。
速度にして、20~30km/h前後。ちょっと上り坂になっているときなどで、スロットルを踏み込んでも「ズボボボ・・・」という頼りなさ気な音とともに、エンジンの出力が落ちてしまうのです。更に踏み込むとギアが1速落ちてグワン!と加速するんですが、ちょっと危なっかしい。
起こりそうだなぁというのが若干わかってきたので対処はできるんですが、分からない嫁が運転した時に発生したら、おそらく冷や汗モノだと思います。
推定原因
原因として考えたのが、
- オイルが硬い
- スロットルバルブの汚れ
- カムポジションセンサー・クランクセンサーなどのセンサー類の不調
この辺りです。
1に関しては「オイルを固めの品を使っている」というのも原因の一つかな?とも考えました。
これです。純正指定が5w-30なのに対して、上も下も固めの10w-40を使用中。
ただ、車両を購入してから徐々に「セル長回し」の発生頻度が多くなっているような気がしています。基本的にオイルは使っているうちにだんだん劣化して柔らかく(=しゃばしゃば)なってくると思うので、なにか別の原因があるのではと考えました。
Ⅲに関しては、15年落ちの車両ですから、電気機器に不調・誤作動が発生することは十分に考えられます。
まぁ今の自分が手出しできるレベルを超えてしまっているので、ここは考えないことにします。
スロットルバルブの洗浄をしてみよう
今回対応するのがⅡです。
エアクリーナボックスの下にスロットルバルブという、空気流入量を調整するための装置がついています。
真鍮製の円盤がパカパカ開いて流入量を調整するのですが、ここが汚れてしまうと、始動時や低負荷域など、バルブの開き具合が微妙なゾーンでの性能に影響が出ると言われています。
今回の事象がまさにそれが該当しているんじゃないか?と思いまして、車載状態でできる洗浄をやって見ることにしました。
作業で使うもの
使うのが、この日産の純正アフターパーツブランド PITWORK製のエンジンシステムコンディショナーというパーツです。
この手のパーツを使うとき、私はいつもワコーズを使っていました。
とりあえず安牌はワコーズ、と言った感じで、今回もワコーズのエンジンコンディショナーを使おうと計画していたんです。
ですが、これはキャブレーター車用のパーツでした。もともと用途がバイクメインなんですね(パオはキャブ車だから使えるかも)。
色々レビューを見たら、「バイクのFI車に使って問題なかった」という報告もあったんですが、指定外の使い方をしてぶっ壊れたら元も子もありません。ここは安全を見て使用を取りやめ、EGI(日産のインジェクションの呼び方)車用と明確に記載してある、こちらのパーツを使って洗浄を試みます。
作業場所へ移動する
で、このコンディショナーですが、エライ臭いです。アンモニアみたいなキツイ臭いがします。
エンジンに入れて燃やして内部を洗浄するんですが、吹かせばうるさいし排ガスは臭いしで全く良いことがありません。
うちは一応閑静な住宅街に位置していて、ただでさえ土日は車やバイクをリフトアップして白い目で見られているのに、音や臭気といった実害を出してしまったら、高い確率でここに住めなくなります。
というわけで、
広い場所に移動しました。車で15分位のところにある、公共の駐車場です。
見渡すかぎりだだっ広いロケーション。民家は500m近辺にはありません。270度が田畑。残りの90度が河川敷という素晴らしい環境です。
もともと河川敷を使った運動公園の駐車場なのですが、平日は殆ど利用しているのを見たことが無いです。このようにトラックとか営業車が時々止まっていて、仮眠を取ったりするのに使われています。
あとドリフトやったり、八の字切ったりする連中が多かったんでしょう。対策としてアスファルトでかまぼこ型の段が作ってありました。
その隅っこの方を借りて、今回作業をすることにしました。
作業開始
ボンネットを開いて、エアクリーナボックスを外します。
この網あみが貼ってあるのが、スロットルボディの入り口です。この網は圧入されているため、取り外すことができません。
奥には真鍮の板がいて、前後に90度開閉して、空気の吸入量を規定します。
また横一文字の棒があり、左側に丸い穴が空いているパーツが見えるかと思うのですが、これがGA15DEエンジンを搭載しているラシーンの鬼門となっている部品「エアフローメータ」です。こいつがぶっ壊れると、空気の吸い込み量を正しく感知できなくなり、最悪エンジンが始動しなくなったり、走行中AT車両なのにエンストしたりします。
しかもこの部品単体での交換が不可能で、スロットルボディをまるごと交換する必要があります。
リビルトパーツが1万円ちょっとで出ているとはいえ、オーナー泣かせなパーツと言われています。
最終的にはリビルト品に交換しました。その記事は後ほど。
話を作業に戻して、、
まずしっかりと撹拌したスプレー缶を、この網に向かって噴射します。10秒位でしょうか。
ツンとした匂いの液体が出てくるので、先ほどのフローメータに極力当たらないよう注意しながら、チャンバー入り口の側壁と、真鍮バルブを洗浄していきます。
3分くらい放置。
この後エンジンを掛けるのですが、普通にセルを回してもかかりません。
アクセルを少し煽る必要があります。アクセルを踏み込んだ状態でキーを回し、セルをしばらく作動させ続けるとエンジンがかかります。
ですが、混合気がめちゃくちゃな状態になり、なおかつエアクリボックスが開いていてエアを吸い込みまくっているので、すぐにストール。留め金はしなくてもいいので、エアクリボックスをかぶせておけばエンジンが掛かった状態を維持しやすいでしょう。
この次の段階として、「エンジンをふかして3000回転程度をキープしたまま、スロットルチャンバーに薬液を全量噴霧する」というかなり難しい作業をしなければなりません。作業レイアウトの都合で一人での作業は結構厳しめ。
いろいろ考えた末にでた解決策が、
オイルのボトルと油圧ジャッキの箱を使ってアクセルペダルを押し込んだ状態をキープし、
エアクリーナーボックスにスプレーのノズルを隙間から差し込んで、適宜噴射するという方法です。
さすがに全量一気に噴射するのは怖かったと、あまり一気に噴射し過ぎると簡単にエンジンがストールします。数秒間噴射して様子見。また噴射、という形で、段階を分けて薬液を流し込みました。時々ジャッキの箱をどかして、自分でスロットルを煽ったり。全部で5回位実施しましたね。
不思議なことに、白煙があまり出ませんでした。
大量に一気に薬液を噴霧した後は確かに白い煙と、一部黒煙が出ます。ただそれもせいぜい3秒程度で、その後はいくら吹かそうが無色透明な排気しか出ないんです。
これは意外でした。もしかしたらラシーンのエンジン内ってすごく綺麗だったのかもしれません。
前回ヘッドカバーガスケットを交換した際に、カバーの裏面にはワニスの付着ゼロでしたからね。
奮発してオイルはMOTUL 4100入れたり、定番のワコーズのエンジン洗浄剤フューエルワンを時々注入していたりするからかもしれません。
炎天下の作業は辛い
しかし雲が多いながらも、33度くらいの炎天下でこの作業を繰り返すのは結構骨が折れました。
汗はだらだら。Tシャツとつなぎを汗でぐちゃぐちゃにしながらの作業。止まって走行風がない状態で吹かしているもんだから、エンジンが暑い暑い。サウナみたいなもんです。確実に体重が落ちるだろうとおもいました(実際1.5kg落ちてました)。
仕上げの作業
全部の薬液を投入完了したら、数分間アイドリング状態で放置。
その後、シフトセレクターを2速に固定して、エンジンの回転数を3000~4000回転程度をキープして中の薬剤を燃やしきります。
行って戻ってで2kmほど走りました。
その道中で、自販機を見つけて自分の水分補給。本当にありがたかったです。
この後かなりの水分を補給してもいくらでも飲める気がして、文字通りの底なし状態。おそらく軽い熱中症になっていたかもしれません。夏場の外作業は注意が必要ですね。
作業実施後のインプレッション
実施してからまだ2日しか経過していないのでなんとも言えないのですが、始動にかかる時間が短くなったような気がします。
ただ5回に1回位は、まだセルを長く回さないと始動しない事があるような状態です。これが後々良くなるのか、はたまた悪くなるのか。気長に要観察ですね。
あとは、加速が若干ながら良くなったような気がします。これはプラセボレベルだと思いますが・・・。
半ば熱中症になりかけながら頑張った作業。
このままいい感じで走れたらいいな~と感じています。
経過報告 2015/9/2
以下の記事に、3週間後の経過報告を書きました。
意外なほどに効果が見えてきました。
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