インプレッション:ラシーンの「乗り味・乗り心地」について 一般道

 

 

これまでやたら外観や内装の話ばかりしてきたのですが、ラシーンの乗り味について書きたいと思います。

 

●一般道での乗り味

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ラシーンの加速は大変トロいです。

自分のラシーンは、1500ccの4速AT。4WDです。乾燥重量で1280kgあり、ガソリンやらオイルやらを入れた車両総重量は1490kgにも成ります。

それを1500ccで100馬力しかでない非力なエンジンで引っ張るのですから、抜けるような加速感と言うのは期待するまでも有りません。   遅い。

 

 

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ちなみに自分のもう1台の愛車スイフト。こちらは乾燥で980kg、車両総重量1200kgで、エンジンは1200ccの91馬力。

現代の車としてみたら全然大したこと無い車両です。だた、ラシーンと比較すると、それはも弾けるような走りを見せます。

スイフトのメーター

若草色に身を包んだコンパクトカーですが、いやしくもスイフト・スポーツのベースとなった車両です。

4500回転まではバイクかと思うような吹け上がりをみせ、軽い車重をグリグリと引っ張ります。CVTは滑る素振りを一切見せずに動力を地面に伝え、がっちり踏ん張る車体に取り付けられたサスペンションは、地面を蹴り上げるタイヤをしなやかに受け止めます。

一度アクセルを踏み込めば、つり目のスイフトが音もなく街を駆け抜けるのです。

 

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翻ってラシーン。

アクセルを踏み込めば、ビリビリという勇ましい轟音が車内に響き渡るものの、これは90年代設計で遮音板の性能が悪いため。吹け上がりは調教したのでなかなかですが、時速40km/hまで速度が上がるのにはそれなりの時間を要します。

ブゥイーーーーーーン…

という音が響きながら、徐々に加速してく様子。これは、なかなかにもどかしい物が有るのです。

 

 

●多分開発途上だったジャトコAT

さつまいも

加えて、4速ATの制御がはっきり言ってかなりで、やたら3速を使って走ろうとします

走っていて、もう4速上げていいんじゃないかな?と思うところでも、なかなか上げてくれません。この辺の制御は設計が旧いからでしょうか?

3速に落とすことについては、以前紹介した記事の通り「オーバードライブOFF」という形で付いているのですが、強制的に上げることはできません。

うん、それってMTだね。求めているものが違うw

そういえば、スイフトのCVTもジャトコ製で、発売当時は最新型の副変速機付きだったと記憶しています。20年の月日の進化は目覚しいものがあるなぁと感じます。

 

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街乗りしていても、踏み込めば交通の流れをリードすることはできるけど、少し意識して走らないといけない。

ダラーっと走っていると時速40~50km/hくらいがコンフォートゾーンで、煽られることもしばしば。

走っていても、一度現代の車のビシッと締まった走りを経験してしまうと、「なーんか色んな所でパワーロスしてそうだなぁ」ともっさりとした走りに感じてしまうのです。

 

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ですがこれは悪いことばかりではありません。

子供が「うんしょ、うんしょ」と頑張って荷車を引っ張るような、ある種の可愛らしさにも感じます。「ひーこら、ひーこら」と、疲れているわけではないのが味噌。あくまでも頑張ってる感じでなのです。

凄くイージーな表現になってしまい、あまり好きではないのですが、これは「味」なのかなあと感じている部分です。

 

決して速くはないんですが、面白いんです。乗っていて。
これはこれでいいかな~、と思ってしまうんです。

今の商品価値で見たら、ある意味落第点かもしれません。走らないし、燃費が悪い。

 

プリミティブさが放つ暖かさ

それでも、非力なエンジンで頑張って走っている感じというのは、なかなかに楽しさが有ります。
昨今の超・高効率化されて、限界まで駄肉を削ぎ落した、まるで軽量級ボクサーのような車両からは感じ取ることができない、「今車を運転しているなぁ」という素朴な幸せを感じることが出来るんです。

アクセルを踏んだら、「車がベストな条件を選んで走ってくれている。」という感覚ではなく、自分が主導権を握ってラシーンを走らせているんだ、というある種の一体感を感じたような気がしました。

面白いことに、これは僕の嫁さんも、ラシーンを運転した後に同じ感想を述べていたのでした。

 

 

 

 ●あえてバイクに例えると‥・

ホーネット ビラーゴ

僕はもともとバイク大好き人間なので、バイクで例えてみます。

スイフトが250ccのホーネットとかで、ラシーンはビラーゴ。

こんなかんじ。

 

かたや一度スロットルを開き始めたら、勢い良くどこまでも回転が上がるエンジンが牙を向き、技量次第で大物食いも夢じゃないクオータースポーツ。

もう一方は、非力なエンジンと比較的重い車両で加速感は味わえないものの、ダラーっと流すクルーズ感は十分味わえる250ccアメリカン。

 

どちらも楽しい。

ラシーンは、後者に近い魅力を持っていると感じます。

 

 

●一般道でのベターな走り方

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 一般道での乗り方としては、

出足は少し踏み込んで50km/hくらいまで一気に加速し、その後少しアクセルを抜いて、2000回転程度で巡航するのが一番いいかと思います。燃費もいいでしょう。

燃費向上、そしてゆったりとしたクルーズ感を味あうためには、とにかく4速に入れる事が必要です。十分加速した後にアクセルを少し抜いてあげて、4速に誘導してあげましょう。

 

●小回りなどについて

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 フロントとリアのオーバーハングが多少あるので、あまり小回りが得意な車両では有りません。

調べた所、ラシーンの最小旋回半径は5.2mでした。最新のフィットやノート、AQUAなどが4.7~4.8mでしたので、数字上のスペック面から見ても、幾らか小回りが苦手です。一般的に最小回転半径が5.3mを超えると、Uターンなどがしづらくなると言われていて、ラシーンはその当落線上。

ですが慣れで十分許容出来るレベルかと思います。それに車幅全幅は1695 mmで、上記の最新コンパクトカーと同じ。曲がりきってしまえばいかようにもできます。すれ違いも特に気にならないでしょう。

 

●ブレーキについて

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ブレーキはかなり甘め。

前後4輪ディスクブレーキですが、車重が重い事や、そもそもディスクも小さく過剰なものをおごられているわけはないため、ふんわりとしたブレーキ感です。踏めば効くけどねっという感じ。

コントローラブルだけど、力で踏み込んでコントロールする必要が有るため、とっさの時に反応できる最低限の脚力が必要です。前の車が急に止まると、結構冷やっとします(汗

 

こういうところからも、今の車ってイージーでフレンドリーだよなぁと感じるのです。

 

 

続き

次の記事で、ラシーンの高速道路での乗り味を記載します。

インプレッション:ラシーンの「乗り味・乗り心地」について 高速道路

つづく

 

 

1 個のコメント

  • 本当に、コメントをベタベタとすみません!
    兄も、ラシーンを運転してみて同じ事を言っていました。非力で遅いけれど、自分が車を運転している気持ちを実感させてくれて運転が楽しい、だそうです。

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